生産緑地の所有者の方々は2022年問題として、生産緑地法の動向を注視されていたことでしょう。多くの生産緑地は指定から30年が経過すると、固定資産税等の優遇を受けることができなくなります。
所有者は(収益性の高い場合を除く)市町村にその買取りを求めるか転用等により宅地化するかの選択をせまられていました。そこで国は、宅地化による市街地の地価や賃貸価格の暴落(私見です)、空き家等の増加、都市における農地等の適正な保全を図ることへの施策として、生産緑地法の改正を行いました。
生産緑地所有者の方々が特に気になる30年経過後の扱いについては、10年間の延長指定として「特定生産緑地」が設けられました。
今回の改正におけるポイントは以下の3点になりますので参考にしてください。
1.市町村長は、生産緑地のうち生産緑地指定から30年を経過する日までに、農地等利害関係人の同意を得ることにより、「特定生産緑地」として10年間指定することができる(10年後の更新あり)。
2.生産緑地地区の指定は、市町村の条例でその面積要件を300m2 以上(改正前500m2 )に緩和することができる。
3.生産緑地地区に設置可能な施設として、農産物等加工施設、農産物等直売所、農家レストランを追加する。
@ 生産緑地地区及びその周辺の地域内において生産された農産物等を主たる原材料として使用する製造又は加工の用に供する施設。
A @の農産物等又はこれを主たる原材料として製造され、若しくは加工された物品の販売の用に供する施設。
B @の農産物等を主たる材料とする料理の提供の用に供する施設。
※生産緑地の保全に無関係な施設(単なるスーパーやファミレス等)の立地や過大な施設を防ぐため、省令で下記基準を設ける。
・残る農地面積が地区指定の面積要件以上
・施設の規模が全体面積の20%以下
・施設設置者が当該生産緑地の主たる従事者
・食材は、主に生産緑地及びその周辺地域 (当該市町村又は都市計画区域)で生産